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インタビュー

数ある診療科目のなかから、先生が小児科を選んだ理由を教えてください。

患者さまの全身を幅広く診られる医師になりたいと思っていたので、学生時代は内科と小児科で迷っていました。大学の夏休みを使って、大きな総合病院に見学に行ったときのことです。泊まり込んで重症患者さまの様子を診る先生もいて、とてもハードな現場でした。まだ学生だった私にとって、この職業の厳しさに直面した貴重な体験でもありました。先生や看護師、スタッフの方々が協力し合って患者さまのために労力を惜しまずに治療に専念している姿が印象に残っています。

その病院の小児科病棟には重い病気のお子さんが大勢入院していましたが、どのお子さんも元気な笑顔を見せてくれて病棟がとても明るい雰囲気でした。子どもたちは本当に具合が悪くなるぎりぎりまで、元気にしているんですよね。そういう健気な子どもの可愛らしさに感動して、小児科に決めたんです。

病院が苦手なお子さんのために工夫されていることを教えてください。

院内にお子さんが入ってきたときから、私はもちろんスタッフも、明るい雰囲気で対応するように心がけています。それでも注射がいやだったり、病院に怖いイメージを持っていたりして、どうしても泣いたりあばれたりしてしまうお子さんがいます。また、お子さんが泣くことで委縮してしまうお母さまもいらっしゃいます。でも、子どもが泣くのは当たり前のことですので、私たちはそれを温かく受け入れて、親子ともどもリラックスできるように、やさしく話しかけながら診療をおこないます。

お子さんには、院内に飾ってあるイラストやキャラクターグッズで気をそらせたり、注射後には動物のスタンプを押したシールを貼ってあげたりして、ちょっとした小物で工夫しています。

開院してから、先生のなかで心に残っているエピソードを教えてください。

生まれたときから来てくれて予防注射のたびに泣いていたお子さんが、3歳ぐらいになって久しぶりに予防注射に来て泣かずに頑張れたとき、お子さん本人はもちろんなのですが、お母さまもとてもうれしそうなんですね。そういう親子の姿を見ると、やはり心温まります。思いっきりほめてあげることにしています。

また、お子さんは成長するにつれだんだん小児科にかかる回数が減ってくるのですが、下に赤ちゃんが生まれて予防接種などで来院するときに一緒に来て、お兄ちゃんお姉ちゃんになった姿を見せてくれるのはうれしいですね。お母さまもはじめてのお子さんのときよりも自信がついているようでたくましくなって、お子さんとともにお母さまもしっかりと成長なさっているのがまた微笑ましいです。

通院されている方のために、工夫や努力していることはありますか?

ありがたいことに、お子さんたちからお手紙や絵をいただくことがあります。院内に可愛らしく飾りつけるように工夫しています。次に来院したときに、お子さんがそれを見つけるとすごく喜んでくれるんですよ。

あとは、院内でお子さんや保護者さまが快適に過ごせるように、スタッフから意見をもらうようにしていますね。定期的におこなっているミーティング時はもちろん、お昼休みや食事会などの話題の中でも、気づいたことについて意見交換をしています。事務スタッフは育児経験を生かして受付業務中に気づいたことを教えてくれます。たとえば、自動ドアのかぎの位置は、お子さんが触ってけがをしてしまうようなリスクがあると指摘してくれたので、上の方に付け替えました。看護師は全員小児科病棟での勤務経験があり、とても優秀な方ばかりです。診察が効率よくできるよう気を配り工夫してくれます。医師・スタッフ同士でコミュニケーションを取り、助け合いながら医療サービスの質を向上できるように努めています。

最後に来院される方へのメッセージをお願いします。

私自身も子育て経験があり、とくに仕事をしながらの育児の大変さは身をもって知っています。ご自身のお母さまと離れて暮らしていらっしゃる方も多いと思いますので、私たちでよければ、病気の相談だけでなく、子育てのお悩みもお伺いいたします。当院でできることでしたらもちろんお手伝いしますし、行政でおこなっているサービス、専門外来への紹介など、具体的なアドバイスができるよう努めています。病気や予防接種、健診はもちろん、育児全般に関して心配ごとがあれば、お気軽にご相談いただければと思います。